求人サイトを運営していると、多くの企業から「今回は掲載したけど、次はもうやめます」という声を聞くことがあります。
この「継続掲載率の低さ」は、求人メディア運営における大きな課題のひとつです。
なぜ企業はすぐに掲載をやめてしまうのか?
また、その問題を解決し、継続的に使ってもらうためにはどんな工夫が必要なのでしょうか。
本コラムでは、掲載企業が継続しない背景とその対策について詳しく解説します。
目次
1. 企業の“広告に対する期待値”と“現実”のギャップ
求人広告に初めて取り組む企業の多くは、「求人広告を出せばすぐに応募が来て、すぐに採用できる」と思い込んでいます。
もちろん理想としてはそれが望ましいですが、現実はそう簡単ではありません。
実際には、募集職種の人気度や地域の求人市場の状況、掲載内容の工夫など、さまざまな要素が影響し、応募が来るまでに時間がかかることも多いです。
期待通りの効果が出ないと「広告費が無駄になった」と感じ、掲載をやめる企業が増えてしまいます。
対策としては、掲載前に期待値の調整を徹底することが大切です。
「魔法のようにすぐ結果が出るわけではない」「平均応募数や応募までの期間はこれくらい」という具体的な数字を示すことで、現実的な見通しを持ってもらうことが重要です。
2. 効果を“見える化”できていないことによる不信感
企業が次回掲載をためらう最大の理由のひとつが「効果がよく分からない」ことです。
応募数の報告だけでなく、アクセス数や原稿のクリック率、応募フォームへの到達率など、さまざまな数値を示すことができないと、「広告費を払っている意味がないのでは?」という不安が生まれます。
効果の見える化は信頼の礎です。
求人サイト運営者としては、レポートを分かりやすく作成し、数値を元にした改善提案をセットで提供しましょう。
「タイトルを変えたらクリック率が上がった」「応募条件を緩和したら応募が増えた」などの成功事例を交えると説得力が増します。
3. 掲載後のフォローアップ不足が離脱を招く
掲載開始後、企業からの連絡を待つだけの“やりっぱなし”状態は要注意です。
掲載後のフォローが薄いと、「何も変わらない、改善されない」という印象を与え、掲載継続の意欲が下がります。
フォローアップは継続率アップの大きな武器になります。
たとえば、掲載開始1週間後や1ヶ月後に企業と連絡を取り、数値の説明や改善ポイントの提案を行いましょう。
その際に「なぜこうした方が良いのか」という根拠を伝えると、より信頼関係が深まります。
4. プラン設計の工夫で“継続利用”を促す
単発掲載しかない場合、企業は「とりあえず1回試すだけ」という意識になりやすいです。
これが継続率の低下に直結します。
そこでおすすめなのが、“継続利用を前提にしたプラン設計”です。
例えば、2回セットや3回セットの割引プラン、掲載後の改善サポートをパッケージにするなど、複数回の掲載を促すプランを用意しましょう。
また、営業トークでも「最低2回は掲載してPDCAを回すことが成功の秘訣です」と伝えることで、企業も継続を前提に検討しやすくなります。
5. 掲載企業の声を聞く仕組みづくり
企業が「辞めたい」と思う前に、日頃から声を聞く体制を作っておくことも重要です。
定期的なヒアリングやアンケートで不満や困りごとを早期発見し、迅速に対応すれば、企業の離脱を防ぐことができます。
おわりに
掲載企業の継続率を高めるには、ただ広告枠を販売するだけでは不十分です。
“広告の効果を最大化するパートナー”として、期待値調整、効果の見える化、丁寧なフォロー、継続プランの提案、そして企業の声を活かす仕組みを整えることが求められます。
これらを積み重ねることで、単発の掲載が継続的な利用へと変わり、求人サイトの安定運営につながります。
ぜひ、掲載企業との関係づくりに注力し、継続率アップを目指しましょう。